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    自然探偵と南から来た虫たち (2004.7)

ビロードハマキの翅博「ねえ探偵。僕たち珍しいものを見つけたんだよ。高麗山の地獄沢でね。」
物子「そうなの、とってもきれいな翅なのよ。見て見て。」
探偵「へえ、確かに珍しいものを見つけたね。模様に特徴があるから、一目で種類が分かる。ビロードハマキというガの翅だよ。」
物子「なんだ、ガなのか。がっかりだわ。」
博「ガだからって馬鹿にすることはないよね、探偵。きれいなことには変わりはないんだし。」
探偵「博君もたまにはいいことを言うね。それに、この翅は大事な記録でもあるんだ。」
物子「どういうこと?」
探偵「ぼくが子どもの頃にはね、図鑑でこの種類を見て、自分でも見つけたいと思ったものさ。図鑑には、房総半島より西にいると書いてあったから、神奈川県でも見つかると思ったんだけど、全然見つからなかった。ところが、この頃、時々姿を見るようになったんだ。ガの研究をされている海老名市の山本光人さんのお話しでも、神奈川県のあちこちで見つかるようになって、珍しいガではなくなってきたということだ。」
博「ふうーん。増えてきた種類なんだ。」
探偵「ビロードハマキの他にもね、1990年くらいから、身近で見られるようになった虫にはいろいろな種類があるんだ。その多くは、どちらかといえば、もともと南の方にすんでいた種類でね、気候が暖かくなった影響で分布を広げてきたんじゃないかと考えられている。どんな虫がそれにあてはまるのか、紹介してみようね。

   → 増えてきたチョウたち
   → 見なれないカメムシたち
   → クマゼミのぬけ殻を探せ!
   → 
スズミグモの北上
   → 毎年南からやってくる虫たち
   → 風に乗って迷いこんだチョウ

探偵「ところでね、夏休みに博物館で『平塚の生きもの地図』という特別展が開かれるよ。その中で、分布を広げてきた虫たちのことも取り上げるようだから、ぜひ見てね。」

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