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    増えてきたチョウたち (2004.7)

博「南から広がってきた虫って、どんなグループに多いの?」
探偵「そうだね。なんといってもチョウかな。平塚の土屋に行くと、クロコノマチョウという茶色くて大きなチョウをよく見かけるんだけど、この種類は、1990年頃から神奈川県内に定着してきた。ジュズダマなどの葉を食べる幼虫もよく見つかっている。ムラサキシジミは、もっと早く1980年代から県内に定着した種類で、今ではごく普通の種類になっているね。」(

クロコノマチョウ ムラサキシジミ
クロコノマチョウ(2003年11月/土屋) ムラサキシジミ(2003年10月/土屋)


物子「もっと最近、増えてきたチョウもいるの?
探偵「一つはナガサキアゲハだね。ナガサキアゲハは、尾のない黒いアゲハチョウで、戦前には国内では九州と四国以南にしかいなかったんだ。その後、北上を始め、1999年には、三浦半島で記録され、その後短期間の間に神奈川県に定着した。平塚でも、2002年頃から吉沢などで見かけるようになり、現在では出会う機会が増えているよ。幼虫がスミレを食べるツマグロヒョウモンは、昔は台風などに運ばれた個体が見つかるだけだったんだけど、最近は幼虫も見つかるようになった。他には、幼虫がマテバシイを食べるムラサキツバメという種類も増えてきているね。」

ナガサキアゲハ ツマグロヒョウモン
ナガサキアゲハ(2003年9月/吉沢) ツマグロヒョウモン(2003年10月/馬入相模川)

参考書:『かながわの蝶』(相模の蝶を語る会,2000.かなしん出版)


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