風に乗って迷いこんだチョウ (2004.7)
博「わあ、見たことのないチョウチョだ。」
物子「なんか、きれいな色をしてるわね。」
探偵「このチョウはね、2003年10月4日に、平塚市豊田の高橋さんというお宅の庭に現れたものなんだ。高橋さんは、チョウがお好きだったので、この種類がただものではないことにすぐに気づかれて博物館に知らせたというわけ。」
博「で、何という種類だったの?」
探偵「リュウキュウムラサキという亜熱帯地方の種類だと分かったんだ。日本には定着している場所はないので、国外から飛んできたのは確かだ。沖縄や九州では、毎年のように記録される種類だけど、神奈川県で見つかったのは珍しいよ。」
物子「なんでまた、そんな遠くのチョウが飛んできたの?」
探偵「台風によって運ばれてくるというのがよくあるケースだね。台風の目に入り、そこから出られなくなって大旅行をするというわけだ。南風に乗って飛んでくるということがあるかもしれない。こうしたチョウは迷蝶(メイチョウ)と呼ばれているよ。沖縄なんかでは、最初は迷蝶だったのに、だんだん定着するようになった種類もあるから、こうした例外的なこともちゃんと記録しておくことが大事だね。」
写真提供:高橋道徳氏・良子氏 |
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