自然探偵と消えた干潟 (2005.3)
博「ねえ、探偵。ちょっと質問があるんだけど、平塚に昔、渡り鳥の楽園があったってほんと?」
物子「私もお父さんに聞いたことがあるわ。確か相模川の河口あたりとか。」
探偵「そうか、相模川河口にあった干潟(ひがた)のことは、もう昔話になってしまったんだね。」
博「干潟って、どんな場所のことなの?」
探偵「海の潮(しお)が1日に2回満ちたり引いたりするのは知っているよね。潮が引いた時に泥地が現れるような場所を干潟と呼ぶんだ。大きな川の河口あたりとか、東京湾のような大きな内湾の奧の方にできることが多いよ。」
物子「相模川河口の場合は、どのくらいの大きさの干潟だったの。」
探偵「200m四方くらいの小さな小さな干潟だったんだけどね。集まってくる水鳥の種類と数は、けっこう多かったよ。特に春と秋の渡りの季節には、何十種類もシギやチドリのなかまが観察できたよ。それで、渡り鳥の楽園と呼ばれていたんだ。」
博「写真に写っているのは何という鳥なの?」
探偵「これはハマシギという種類だね。毎年、200羽くらいが河口で冬を越していたから、こうやっていっせいに飛ぶようすがよく見られたよ。」
物子「その干潟がなくなったなんて残念だわ。」
探偵「本当に残念だ。今日は、干潟の動物のこと、渡り鳥のことをいろいろ紹介しようね。ところで、相模川河口については『相模川河口の自然を守る会』や『相模川河口鳥類観察グループ』があって、長年調査や保護活動を続けてきたんだ。そういう会の資料を見たければ博物館に連絡するといいよ。」
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