釣り糸事故 (2005.3)
探偵「干潟では、こんな事故が起こることもあったよ。」
博「この鳥、くちばしが下にカーブしているからチュウシャクシギでしょ。どうして死んじゃったの?」
探偵「写真をよく見てごらん。特に足の方。」
物子「何か、指にまきついているみたいね。右足にも左足にも。」
博「もしかして、これって釣り糸じゃないの?」
探偵「その通り。釣りで使うテグス糸だよ。」
物子「いったいどうして釣り糸がまきついたの?」
探偵「このチュウシャクシギの場合はね、針が足にささったのが原因のようだったよ。釣り針のついたままのテグス糸が捨てられていたんだろうね。歩いていて、その針が足にささってしまい、糸をひきずって歩いているうちにどんどんからんでしまったんだろうね。おまけに、その糸が翼(つばさ)にもからんでしまって、しまいには飛べなくなって命を落としたようだった。」
博「釣り糸って、鳥には凶器(きょうき)になるんだね。こんな事故はよく起こるの?」
探偵「海辺では釣りをする人が多いし、釣り糸はどうしても切れることがあるよね。だから、釣り糸事故の被害(ひがい)に会う鳥も多いんだ。餌(えさ)のついたままの針が落ちていると、それを飲みこんで喉に針をひっかけてしまう場合もある。そうするとまず抜けなくなってしまう。」
物子「かわいそうね。私たちで何かできることはないかしら。」
博「釣り糸や針が落ちているのを拾ったらどうだろう。」
探偵「いい考えだね。海辺だけでなくて、川でもそういう掃除をしてほしいな。」
物子「釣りをしている人にも、呼びかけなくちゃね。」
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