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石材図鑑 火山岩類3 (富士溶岩)

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最終更新 2005年3月

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火山岩類3 (富士溶岩)

富士溶岩の接写 富士宮浅間神社の石垣
▲富士溶岩(玄武岩 ) ▲石垣に見られる富士溶岩
  山梨県南都留郡鳴沢村鳴沢産   富士宮市浅間神社
  富士火山 青木ヶ原丸尾溶岩 864年噴出   
  富士火山の溶岩は黒色の多孔質の溶岩です。発泡度が低いと箱根溶岩との区別が難しくなりますが、斑晶にカンラン石を含めば間違いなく富士玄武岩です。一般にはカンラン石斑晶は少なく、斜長石斑晶に富むものも多くみられます。箱根系に比べ黒っぽくなりますが、灰色を呈するものもあります。富士溶岩は一枚の厚さが数mと薄く、溶岩流の表面や基底部にガサガサした部分(クリンカー)が多くみられます。石材としてはこの部分のものを富士黒ボク石と呼びます。 クリンカーではない緻密部の溶岩を富士溶岩と呼んでおきます。
富士溶岩の採石場 富士溶岩の間知石の山積み
▲ 富士溶岩の採石場(玄武岩溶岩) ▲富士溶岩の間地石の山積み
  山梨県鳴沢村鳴沢(緑の休暇村南)産      山梨県鳴沢村鳴沢
   青木ヶ原丸尾溶岩  864年噴出  
  富士吉田市松山では剣丸尾溶岩を、鳴沢村鳴沢では青木ヶ原丸尾溶岩を、三島市街地北側一帯では三島石として三島溶岩流が採掘されていました。青木ヶ原丸尾溶岩は、864(貞観6)年に長尾山から噴出したものとされ、当時あったセノ海を埋めて精進湖・西湖・本栖湖を作ったといわれます。富士溶岩は古くから五輪塔や宝篋印塔などに利用され、近代でも石臼・灯籠・石垣などに利用されてきましたが、現在では採掘されず、一部で加工販売のみが行われています。  
富士溶岩の鳥居 富士溶岩と箱根二子山溶岩を使用した五輪塔
▲富士溶岩の鳥居 五輪塔富士溶岩・箱根二子山溶岩
  平塚市土屋 熊野神社   平塚市上吉沢山の神
    五輪塔の水輪には二子山溶岩が利用されている。
スケールバーは1cm


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