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最終更新 2005年3月

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深成岩類10 (錆び花崗岩:錆びみかげ)
 

鞍馬石の接写 本鞍馬石の塀基礎
▲鞍馬石(本鞍馬石)
 (黒雲母花崗閃緑岩
▲本鞍馬石の塀基礎
  京都市左京区鞍馬本町産   平塚市立野町 
  白亜紀後期 8500万年前 行者山花崗閃緑岩
  京都で産する鞍馬石は、表面が暗赤褐色に錆びていることから珍重されます。甲州鞍馬石に対して本鞍馬石とも呼ばれます。京都市北方には、小規模な花崗岩体がいくつか分布しています。これらの岩体は二畳紀〜ジュラ紀の丹波層群を貫き、白亜紀後期(8500万年前)に貫入したもので、主として石英閃緑岩〜トーナル岩、一部で花崗閃緑岩からなっています。色指数(有色鉱物の割合)は17-44%と高く、花崗岩類の中ではやや黒っぽい色調です。本鞍馬石はもうほとんど産出しません。茶道との結びつきが強く、庭石・飛石・沓脱石などに利用されます。  
甲州鞍馬石の接写 甲州鞍馬石の灯籠
▲甲州鞍馬石
  (角閃石黒雲母花崗閃緑岩)
▲甲州鞍馬石の灯籠
  山梨県大和村初鹿野産   山梨県大和村初鹿野
  中新世 1000〜1100万年前 甲府花崗岩体 徳和型
  京都の鞍馬石に似るので、ほとんどとれなくなった鞍馬石に変わって主流となっています。錆が表面を覆い庭園用に適します。中粒の角閃石黒雲母花崗閃緑岩で、有色鉱物に富み色指数が高く、捕獲岩を多量に含んでいるのが特徴です。この徳和岩体には、磁鉄鉱系の塩山みかげとチタン鉄鉱系の甲州鞍馬石とがあります。造園材・灯籠類・庭石・沓脱石・飛石・景石・水鉢などに利用されます。
木曽石の接写 木曽石を使った石垣
▲木曽石 (花崗斑岩) ▲木曽石を使った石垣
  岐阜県中津川市蛭川産   平塚市西八幡 パイロット前
  白亜紀後期
  岐阜県中津川市福岡・蛭川周辺で採取される花崗斑岩で、白亜紀後期のものです。蛭川山石とも呼ばれます。白色の1cm大の正長石斑晶がざらついた褐色地より浮き出て凹凸のある表面をなしているのが特徴です。庭石・石積み・敷石などに利用されます。昭和49年に岐阜県旧中津川市・長野県木曽郡山口村では採石禁止になっています。
滝坂石の縁石 滝坂石の流れ
▲滝坂石(ハンレイ岩)の縁石 ▲滝坂石の流れの縁にある縁石
  岐阜県中津川市蛭川産
  北金目 金目親水公園
  寒川町中央公園
  白亜紀後期   
  木曽石に似ていますが、黒みを帯びており、木曽石のような斑状の正長石を含みません。
スケールバーは1cm

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