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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録
第204回 2009年9月19日 河口・木無山・三ツ峠山
■ テーマ:丹沢の衝突境界・三ツ峠礫岩
■ コース:富士河口湖町 河口湖駅~浅川~河口~木無山~三ッ峠山頂~河口湖駅
今回は、富士河口湖町にある河口湖駅からバスで三ツ峠登山口まで行き、そこから三ツ峠山頂(開運山)を目指しました。三ツ峠礫岩層は、御坂断層と桂川断層に挟まれた御坂山地東部に分布しています。この南側には桂川断層を隔てて丹沢山塊の衝突前のトラフ充填堆積物である西桂層群の桂川礫岩が分布しています。今回の目的は、三ツ峠礫岩層と第198回(2008年12月21日)の西桂町巡検で見た桂川礫岩層を比べてみようというものでした。
出発地点は県道708号線を3 kmほど北東に登ったところにある三ツ峠登山口です。登り始めた登山道に出ている露頭は、白滝火山礫凝灰岩層に属する火山礫凝灰岩でした。径1~2 cm大の火山礫には赤色に酸化した溶岩礫を含んでいることから、火山体が陸上に顔をだしていることが推定されると先生から説明がありました。登り初めて数百mの間は白滝火山礫凝灰岩が続きました。登山口から1.5 kmほど登ったあたりから丸い礫岩層となりました。礫は径4~5 cm大と大きくなり、おはじき状の円礫が多くなり、白滝層を抜け三ツ峠礫岩層に入ったことがわかりました。礫種は四万十帯の硬砂岩や頁岩、丹沢山地や御坂山地の安山岩や玄武岩とグリーンタフからなっていると先生から説明がありました。
木無山に至る途中では礫岩はますます顕著になり、円礫の露岩が登山道上に頭を出していました。木無山を通過して、富士見荘展望台に到着し、三ツ峠山直下の屏風岩を遠望しました。まさに礫岩からなる大露頭でした。そこから最後の急峻な坂を登る途中では、同じような礫岩層や一部に砂岩層が挟まれているのを確認し、三ツ峠山頂に立ちました。
三ツ峠山と書かれた石碑の土台は三ツ峠礫岩層の露頭でした。礫岩には四万十帯由来との硬砂岩や頁岩の細礫の他に、10
cm大のグリーンタフ礫も含んでおり、関東山地と丹沢山地の両側からの供給を思わせました。
2008年12月の巡検で見た桂川礫岩層も同様の礫種からなり、類似しているように思われます。しかし、関東山地と丹沢山地の礫種の割合をみると、両者では異なるようであり、かつ、桂川礫岩層の下位にある古屋砂岩層に相当する地層が、三ツ峠礫岩層の下位にはないことなど、相違点があると、先生からまとめをしていただきました。
期待した山頂からの地形展望は、残念ながらガスがかかっていて、十分とは言えませんでしたが、わずかに富士山は望むことはできました。(K.Y.)
▲三ツ峠山への登山道登り口。 | ▲白滝火山礫凝灰岩を観察(三ツ峠登山道入り口)。 |
▲白滝火山礫凝灰岩には、2~3 cm大の火山礫からなるが、円礫も含まれる(三ツ峠登山道)。 | ▲登山道入口より1.5 kmほど歩くと、円礫ばかりの三ツ峠礫岩層に変わってきた(三ツ峠登山道)。 |
▲木無山への登山道にも三ツ峠礫岩が露出する。(三ツ峠登山道木無山西)。 | ▲ガスのかかった木無山山頂(三ツ峠山頂より)。 |
▲三ツ峠礫岩層からなる三ツ峠直下の屏風岩(富士見荘展望台より)。 | ▲三ツ峠山直下の急な斜面を登る。 |
▲三ツ峠礫岩層中の円礫(三ツ峠山直下)。 | ▲三ツ峠礫岩層に挟まれる縞状の粗粒砂岩層(三ツ峠山直下)。 |
▲山頂には三ツ峠の石碑が立つ。土台は三ツ峠礫岩の露頭(三ツ峠)。 | ▲山頂よりかろうじて富士山が望めた(三ツ峠山頂)。 |
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