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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録
第202回 2009年7月19日 湘南平・浅間山
■ テーマ:湘南平の第三系
■ コース:大磯駅~高田公園北尾根~紅葉山~楊谷寺横穴群~湘南平~浅間山~八俵山
今回は高麗山地や湘南平がいつ頃、どのようにして作られたのかを探ることを目的に、大磯層と高麗山層の地層を観察しました。新入会員を含め20人以上もの参加がありました。大磯駅前でのガイダンスの後、高田公園北の尾根道に向かいました。途中で金魚鉢に入れるような礫からなる礫層を発見することができました。先生のお話では、14~15万年前の下末吉海進期の堆積物とのことで、その高度から50
cm/1000 年の割で、隆起したものと考えられるとのことです。紅葉山付近の大磯層は凝灰岩からなり、一部に珪質岩を含んでいました。また、その先の登山道には、白色細粒凝灰岩が約50
m続いていました。地層の走向はN55E、傾斜は45Sなので、白色凝灰岩の層厚は35
m以上あることになります。その先にも床面に白色凝灰岩が露出しており、大磯層が続いていました。
昼食後、楊谷寺横穴墓群に寄り、横穴墓を観察しました。ここの地層も塊状の凝灰岩からできていました。横穴墓群を上がると、なだらかな尾根となり、その北側は急傾斜の登山道となっていました。この傾斜の変わるところが断層鞍部で千畳敷南断層が走っていることを知りました。このような断層鞍部をケルンコルというそうです。湘南平への急傾斜の登山道にかかると火山礫凝灰岩が現れました。これは高麗山層とのことです。中に玄武岩の溶岩片が多数入っていることが確認できました。先生のお話で高麗山層は海底火山起源の噴出物からなるとのことでした。したがって、千畳敷南断層は大磯層と高麗山層とを境していることになります。
山頂にある湘南平の展望台では大磯丘陵全体を見渡し、特に吾妻山や鷹取山北側の丘陵が南から北に傾動している様子を観察することができました。その後、テレビ塔南で、15万年前の波食台の証拠を探しました。径数cmの円礫をいくつか発見することができて感動しました。その後は、浅間山に向かい一等三角点を確認して、八俵山の断層崖の斜面を降りて下山しました。(Y.
M. )
▲大磯駅前で先生から本日の予定と観察内容の説明を受ける | ▲海浜に堆積した粒度の揃った細かな礫層を発見する(高田公園東) |
▲白色凝灰岩の露頭(紅葉山登山道) | ▲登山道には白色凝灰岩が50 m続く(紅葉山登山道) |
▲床に露出する地層の走向を測る(紅葉山登山道) | ▲楊谷寺横穴墓群(楊谷寺) |
▲湘南平の見晴台から西方の鷹取山の傾動地形を望む(湘南平山頂) | ▲かっての波食台が露出している(テレビ塔南) |
▲湘南平が波食台だった証拠を示す礫を探す(テレビ塔南) | ▲浅間山山頂の一等三角点 |
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