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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録
第195回 2008年7月20日
二条の構造線とトラフ充填堆積物
■ プレート境界と礫岩層
まず、青野原の道志川河原へ向かう。道は河岸段丘上を走っている。道脇の沢に旧道志川の河床礫を発見し、早速段丘の地表面高度と旧河床面の高度差を測定する。ハンドレベルという測定器を使い10.7mと計測する。慣れればハンドレベルを使用しなくとも正確に測定できるとの先生の指摘に、全員挑戦するも「え〜、こんなに違うの!」。改めて、自身の未熟さを実感した一時だった。その後、道志川の河原にあるキャンプ場に下った。キャンプ場に許可をもらい、露頭を観察した。ほぼ垂直に傾いた見事な地層(丹沢層群大沢層)である。一体どっちが上なんだ!砂岩の級化構造より東が上であると結論された。断層のすべり面の跡、断層条線も観察した。つり橋を渡って礫岩層(落合礫岩層)の礫を観察し採集した。丹沢の凝灰岩・火成岩と関東山地の砂岩・頁岩が混じっていた。その後、丹沢層群と愛川層群を区切る断層、青野原−煤ヶ谷構造線を観察した。
道志川を戻り、青山から川に下り、今度は石老山礫岩を観察した。親指大の揃った礫岩だった。愛川層群と小仏山地を境する断層、藤野木−愛川構造線を遠望しながら、横浜水道沈殿池を通って、河原に降りると、見事な黒と白の縞模様が観察できた。黒色は黒色頁岩で、白色はと砂岩だった。相模湖層群という地層という古第三紀の地層とのことで、ほぼ垂直に傾いている。ここはすでに小仏山地に入っていた。級化構造をよく観察するよう先生から指示があり、よく見ると下流側が上と判断され、逆転をしているようだ。泥岩が黒色を呈することは還元環境で堆積したことを示しており、この地層が堆積した時代には底層流が停止していたことを示唆していると、解説された。 (Y.T.)
▲集合地点で今日のコースと内容を説明。 |
▲採石場を遠望し、愛川層群の地層を望む。 |
▲直立した大沢層を観察する。 | ▲衝突により直立した大沢層。右側が上位。 |
▲大沢層の火砕タービダイトを観察し、地層の上下判定。断層鏡肌も発見。 | ▲丹沢層群と愛川層群の境界断層である青野原−煤ヶ谷構造線を観察する。 |
▲トラフ充填堆積物である落合礫岩を観察し、礫の種類を調べる。 | ▲直立した相模湖層群を観察。地層が逆転している。 |
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