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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録
第192回 2008年4月27日
江の島の地層
■ 江ノ島の地層
前夜からの雨が朝までやまず心配された天気も、出発前には回復し穏やかな観察日和になりました。今回は、江の島を400回以上も歩かれた小林政夫先生にいろいろな場所を案内していただきました。
江の島大橋を渡る手前では、江の島アイランドリゾート付近の海岸に水中から顔を出している幾筋もの岩がみえました。「これらの南西側は葉山層群、北東側は逗子層で、間を断層が通っています」と小林先生から説明がありました。「大磯丘陵と三浦・房総半島の中間に位置している江の島が隆起しているのは、海岸沿いに高まりが、その北側に相模平野があることと深いつながりがあり、丹沢衝突境界とも関わりがあります」と森先生のお話でした。
聖天島、延命寺納骨堂では三浦層群逗子層を観察しました。従来三浦層群池子層といわれていましたが、ミウラニシキの化石が発見されたことから、小林先生は逗子層とされました。聖天島の露頭は、細粒〜粗粒砂岩でスコリアや岩片、パミスを多く含んでいました。ここでは石英・角閃石・灰長石の結晶を簡単に取ることができました。
天台山では古相模川が上流より運んできた相模川の礫層を観察しました。丹沢起源の凝灰岩礫が多く、チャートや砂岩などが含まれていました。江の島が陸部であったころ、相模川は現在より東側の藤沢市あたりを流れていたことを示します。この礫層は竜口寺付近でも観察できるそうです。
葉山層群は1500万年前頃の地層で、島の西海岸で観察できました。主に細粒砂岩や泥岩層からなり、細かな断層が縦横に走り、地層の走向傾斜などをほとんど測ることはできませんでした。
山二つの展望台からは南北性断層に沿って切り立った海食崖がみられ、北側崖では三色旗軽石、東京軽石、三浦軽石のパミス層3枚が観察できました。 (N.S.)
▲片瀬江ノ島駅に集合して今日のコースと内容を聞く。 |
▲江ノ島遠景を見ながら江ノ島の解説を聞く。 |
▲聖天島にて水平な三浦層群を観察する。 | ▲葉山層群を削る過去の波食台を観察。 |
▲昼休み、新人向けガイダンスを行う。 | ▲山二つの三色旗軽石、東京軽石、三浦軽石のパミス3層を観察。 |
▲海食台に見られる葉山層群の走向、傾斜を測る。 | ▲江ノ島西海岸の海食台を望む。 |
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