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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録
第181回 2007年3月25日
博物館での講義
■ 南関東の地震テクトニクスと大磯層についての講義
今回は,一昨年と昨年の3月に引き続き,筑波大学大学院の小川勇二郎教授を講師に招いて,「付加された三崎層」をテーマに三浦半島の剱崎海岸を歩き,三崎層が付加体である証拠をご案内いただく予定でしたが,あいにくの風雨のため,急遽,博物館での講義に変更となりました.
午前中は,小川先生に「南関東の地震テクトニクス」についてのご講演をしていただきました.相模トラフ沿いの海溝型巨大地震のメカニズムについての最新の知見や,地震のメカニズムを明らかにするための深海掘削の意義などが述べられました.野外調査では陸上地質と海洋地質の両方の視点から,また野外での観察事実を明らかにするための室内実験も試みられていて,その学際的・包括的な視点はとても勉強になりました.また地震テクトニクスに関する最新の知見を伺うことができて,とても新鮮でした.
午後は森学芸員に「大磯町西小磯海岸に露出した大磯層の層序と構造」についての講演をしていただきました.普段は砂浜に埋まっている大磯層の波食台が,2001年の台風の影響で60年以上ぶりに大規模に露出したとのことで,その時に採取されたデータ(礫種組成,小断層解析,テフラの記載岩石学的特徴など)に基づいて,大磯層の堆積場や古応力場の復元,三浦半島の三浦層群との対比やテフラの給源に関する議論がなされました.すぐに埋まってしまって,現在は見ることができないとのことで,今度露出したら是非この目で見たいと強く思いました. (M.F.)
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