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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録

第167回 2005年12月3日 

矢倉沢峠〜火打石岳


箱根火山の溶岩と地形の観察

「箱根火山の溶岩と地形」をテーマに、仙石の金時山登山道入口〜矢倉沢峠〜火打石岳〜明神ヶ岳西〜宮城野のコースを歩き、古期外輪山を作る溶岩や火砕岩を観察し、カルデラ壁から見える地形を展望しました。
 仙石〜矢倉沢峠まで露頭がかなりあり、斑晶の少ない輝石安山岩溶岩が何枚も露出し、その間に火砕岩が挟まれていることを確認しました。溶岩とクリンカー、赤焼け火砕岩が互層しているのが何カ所かで見られました。矢倉沢峠〜火打石岳付近の尾根沿いは何も露出がなく、所々からカルデラ内の中央火口丘や富士・丹沢の地形を眺望しました。予定では明神ヶ岳まで登るつもりでしたが、溶岩の観察に時間をとられたため、明神ヶ岳の手前から下山しました。明神ヶ岳のカルデラ壁を下から眺め、成層構造の傾きをよく観察し、最近提唱されている「箱根火山は複合した中規模の成層火山の集まりで1つの大きな成層火山ではない」という仮説を検証しました。朝、目的の1つに高橋説を紹介したので、その内容が観察でき有意義でした。天気はまずまずでしたが、風の強い一日でした。
                   

出発前の観察解説 富士起源のローム
▲歩く前に今日のコース確認と観察内容の解説を受ける。 ▲富士起源のローム層に挟まれる粗いスコリアを観察する。
輝石安山岩溶岩の露頭 金時山を見る
▲左側に傾く輝石安山岩の溶岩に出会う。 ▲矢倉沢峠東から眺めた金時山トンガリ山頂。
カルデラ地形を望む 御正体山を見る
▲カルデラ内の地形、特に3000年前に芦ノ湖を作った神山山崩れの扇状地地形を観察する。 ▲丹沢山地の御正体山がよく展望できた。
明神ヶ岳の成層構造 富士の下に金時山
▲明神ヶ岳西から明神ヶ岳の成層構造を望む。数多くの溶岩が重なっているのが見える。 ▲富士と金時山が重なった珍しい光景が展望できた。


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