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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録

第156回 2004年12月12日 松田 シタンゴ山・宮地山


■丹沢の下部層を見る

コース:寄−シタンゴ山−宮地山−寄

今回は,松田町寄にあるシタンゴ山を歩き、「丹沢の下部層を見る」をテーマに、丹沢山地を作る地層を観察しました。前日の降雨確率が40%と高く、集合した参加者は探る会最少の人数となってしまいました。しかし、一日、雨に降られることなく、予定コースを実施できました。
 寄バス停からシタンゴ山への登山道は、丹沢層群の下部層である塔ヶ岳亜層群の内、最下部の寄沢層から上位へ向かって勘七火山角礫岩層、四十八瀬川層がみられることになっているので、これらの地層がどんな地層からなっているのか、海底火山の証拠が見られることを期待して、シタンゴ山へ登りました。ローム層に厚く覆われ、1707年に富士山から噴出した宝永スコリアが何度も認められました。丹沢を作る岩石の露頭は少なかったものの、玄武岩溶岩やその破砕角礫岩(ハイアロクラスタイト)・土石流堆積物(デブライト)などが観察でき、この地域でも海底火山活動の様子がうかがえました。シタンゴ山で昼食後、地形を展望しました。曇天でしたがかすかに平塚市街地も見ることができ、天候が良ければ、丹沢・大磯丘陵・相模平野を見渡せることを知りました。シタンゴ山直下では、海底乱泥流堆積物であるタービダイトの露頭が数多くありました。ここで地層の走向傾斜を測る練習を行いました。この先は、宮地山にかけてほとんど露頭はなく、宮地山山頂で休憩の後、16時半に下山しました。

寄バス停前からシダンゴ山を望む 下部に軽石の付く宝永スコリア
▲寄バス停前から見たシタンゴ山。手前は中津川。 ▲江戸期に富士山から噴出された宝永スコリアが30cm堆積していた。下部に白い軽石が見える。
宝永スコリアの前で議論する会員 玄武岩ハイアロクラスタイトを観察
▲露頭の前で、宝永噴火がどんな噴火であったかについて議論をする会員。 ▲破砕された玄武岩溶岩角礫岩(ハイアロクラスタイト)を観察。
シダンゴ山の広々した山頂 シダンゴ山山頂の三等三角点
▲シタンゴ山山頂からはすばらしい眺望ができる。残念ながら、今回は曇天でした。 ▲シタンゴ山山頂に設けられた三等三角点。
土石流堆積物 宮地山の山頂の紅葉
▲様々な色合いの礫からなる土石流堆積物(デブライト)。従来は火山角礫岩と呼んでいたもの。 ▲宮地山の山頂は鹿柵に囲まれ、眺望もないが、紅葉はきれいであった。

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