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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録

第152回 2004年8月22日 道志川〜秋山川


■丹沢の海底火山を探る

○コース:神ノ川〜道志川〜秋山川

今回は,「丹沢の海底火山を探る」をテーマに道志川・秋山川流域の丹沢の地層を、丹沢研究の第一人者である海洋開発研究機構(旧海洋科学技術センター)の青池寛氏の案内で観察しました。

最初の神ノ川では丹沢層群で最下部の寄沢層の凝灰岩タービダイトを貫く角閃石ひん岩の岩脈を観察し、下流側では、長者舎断層を挟んで、トーナル岩礫を含む火山円礫岩を観察しました。丹沢山地の隆起とトーナル岩礫を含む意味について、青池氏より説明がありました。

道志川の大渡ではカネハラニシキ化石を含む鐘撞山層の転石を観察し、1100万年前に寒流が流れていたことの証拠を案内いただきました。この付近には厚いドレライトの貫入が至る所で観察できました。

秋山川では、1500万年前の地層に丹沢トーナル岩が含まれている土石流堆積物を案内いただきました。900万年前に貫入したはずのトーナル岩がなぜ、1500万年前の地層に含まれているのか、その理由をお聞きしました。その後、珪酸分に富むデイサイト溶岩の露頭を観察しました。玄武岩溶岩は至る所にあるものの、デイサイト溶岩は丹沢にほとんどみられない意味、秋山川沿いに分布する理由など説明いただきました。天候にも恵まれ、最新のプレート論に乗っ取った丹沢成因論を現地でうかがうことができ、大変有意義でした。

コースの説明 角閃石ひん岩の岩脈の露頭
▲出発前の、今日のコースと内容を説明。 ▲寄沢層の火砕タービダイトに角閃石ひん岩の岩脈が貫入する
寄沢層のタービダイトの観察 タービダイトの地層
▲寄沢層の火砕タービダイトを観察する。 ▲火砕タービダイトには上方に向かって細粒になる級化構造がよく見える。
カネハラヒオウギ化石 ドレライト岩脈の観察
▲寒流系のカネハラヒオウギ化石の転石を見つける。 ▲厚いドレライトの観察する会員。
ドレライトの接写 トーナル岩礫を含む土石流堆積物
▲ドレライトには熱水による沸石脈が数多く発達する。 ▲トーナル岩礫を含む土石流堆積物を観察する。

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