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「相模川の生い立ちを探る会」 活動の記録

第150回 2004年6月5日 曽我丘陵


■曽我丘陵を歩く
○コース:下曽我駅〜宗我神社〜大光院〜不動山山頂〜六本松〜忍石〜砂利採取場〜遠藤〜脇

 今回は,国府津・松田断層を横断して、下曽我から不動山へ登りながら、断層で変異した地形や、大地を作る地層を観察しました。宗我神社付近の平坦面は、箱根火山から噴出した火砕流の堆積面と考えられており、国府津・松田断層で大きく高度が変異しているものといわれています。下曽我駅西側の千代台地も同じ火砕流が堆積した台地といわれ、そうした高度の異なる平坦面が、不動山へ登る途中、何カ所からも遠望できました。当日は梅雨時にしてはとても天候に恵まれ、箱根火山のカルデラや神山〜二子山の中央火口丘、金時山〜矢倉岳の尾根の地形がよく望めました。宗我神社背後の急傾斜面は、国府津・松田断層崖であることがよくうかがえました。登山道沿いには、よく円磨された海浜礫からなる地層がよく観察できました。
 六本松東からは東方の湘南平や鷹取山がよく望めました。このあたりから、遠藤にかけては砂利採取場が数多くみられ、道沿いでその一部を観察しました。この砂礫層には大きな箱根火山起源の安山岩溶岩礫が特徴的に含まれ、礫は非常に丸く薄くなっており、かつて酒匂川の河口部であったであろうことがうかがわれました。

国府津松田断層の地形を望む 金時山から矢倉岳の尾根
▲箱根火山の外輪山・中央火口丘と国府津・松田断層の地形を望む。 ▲箱根の金時山から矢倉岳に至る斜面は、断層により緩くなっている
湘南平と鷹取山 箱根溶岩の大きな転石
▲湘南平と鷹取山の地形を西側から望む山はいつ頃高くなったのだろうか。 ▲箱根火山の大きな溶岩の転石は、かつて酒匂川の流路であったことを物語る
中井町の砂利取り場 浅海に堆積した砂層
▲中井町の砂利取り場を上から望む。かつての河口部に堆積した砂礫層からなる。 ▲極めて浅い海に堆積した地層を観察する。
砂層中の生痕 火山灰を挟むシルト層
▲砂層中には生物の巣穴が数多くみられた。巣穴の壁を泥で補強したのはだれだろう。 ▲火山灰を何枚も含むシルト岩層。やや沖合の浅海に堆積した。

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