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    島が浮く、船が浮く?! (2004.2)

探偵「さて、今日の天気ならたぶん見えるはずだけど・・。やっぱりな。ほら、望遠鏡をのぞいてごらん。」
物子「どれどれ、ほんとだ、船が浮いてる。博君も見てごらん。」
博「ほんとにほんとだ。浮いてる、浮いてる。でも思ったほど高く浮いているわけじゃないんだ。水平線からちょっと浮かび上がっているくらいの感じだね。望遠鏡でようやくわかるくらいだもの。」
探偵「そうだね。平君のお父さんは、よっぽど目がいいんだろうね。こっちの烏帽子岩も見てごらん。」
物子「茅ヶ崎の沖にある岩ね。あ、これも浮かんでる。」
探偵「そうだろ。こういうのは蜃気楼の1種で、浮き島(うきしま)という。冬の相模湾では天気がよければ毎日のように見える現象(げんしょう)なんだ。気づいている人は少ないけどね。」
博「そうなのか、知らないだけで、それほど珍しいことじゃなかったんだね。」

浮き上がって見える漁船 浮き上がって見える貨物船 浮き上がって見える烏帽子岩

探偵「がっかりすることはないよ。ちゃんと見たことのある人はほとんどいないんだから・・。ところで、望遠鏡で見ていて、何か気がつくことがないかい。」
物子「なんか、船の下にさかさまの船が見えているようが気がするんだけど。」
博「ほんとだ。へ先のところを見るとよく分かるね。鏡にうつしたみたいだ。」
探偵「そう、いいところに気づいたね。浮き島現象の場合、水平線より上に鏡のような部分がはさまって、そこに浮かび上がったものがさかさまにうつっているように見える。しかも、ただうつるんじゃなくて、少し縦横が縮まって見えることが多いね。下の図で、『さかさまの船』と書いたところが、まぼろしの部分というわけだ。つまり、浮き島現象の場合は、実際の物よりも下側にまぼろしの像が見えるという特徴があるんだ。その点が、富山湾なんかで見える蜃気楼とは違う点だね。」

浮き上がった船と逆さまの船の虚像
物子「ねえ、ねえ。どうしてこんなことが起こるの?説明してよ。」

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