自然探偵と樹液酒場(じゅえきさかば) (2005.8)
物子「夏休みも、もうなかばね。」
博「なにを言ってるんだか。まだ4分の1が過ぎただけじゃない。」
物子「そうは言っても、なんかだらだらしているうちに、あっというまに休みが終わりそうな感じがするのよ。」
探偵「小学生とは思えない発言だね。もう少し、しゃきっとしてほしいな。」
博「探偵は、小学生のころ、どんな夏休みのすごしかたをしていたの?」
探偵「なんと言っても雑木林だね。樹液の出ている木を見つけておいてね、1日に何回も見回りに行ったものさ。朝早くとか、夜に懐中電灯をつけて行ったりね。」
物子「カブトムシを探したわけ?」
探偵「カブトムシもたくさんいたけどね。樹液に集まる虫はそれだけじゃないんだよ。」
博「今でも、樹液が出ている木は見つかるかな。」
探偵「だいじょうぶ。雑木林に行けばかならず見つかるよ。」
物子「たいくつだから、連れてってもらおうかな。」
博「ところで、樹液にはどうして虫が集まるのかな?」
物子「樹液には甘みがあるからじゃないの。」
探偵「それだけでは正解とは言えないね。確かに、幹の傷(みきのきず)からしみ出してきた樹液には、糖分(とうぶん)がふくまれているけど、それが細菌(さいきん)の力でアルコールに変わるんだね。その匂いが虫を引きつけるんだ。」
物子「じゃあ、樹液酒場(じゅえきさかば)というわけね。」
博「昼間から、よっぱらている虫もいるというわけか。」
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