自然探偵、校庭を歩く博「ぷんぷん。ぷんぷん。」
物子「私もぷんぷん。まったく、ぷんぷんだわ。」
探偵「なに、二人とも。会ったそうそうご機嫌斜め（ごきげんななめ）だね。」
博「聞いてよ探偵。僕たちのクラスの先生ったらひどいんだよ。」
物子「そうなのよ。私たち、自然観察（しぜんかんさつ）がもっとしたいと思って、どっか連れてって頼んだわけ。」
博「そしたらね、『お前たちが学校の外に観察に行くなんて十年早い』とか言っちゃって、ぜんぜんとりあってくれないんだ。」
探偵「おかしいな。君たちの先生は、自然が好きなんじゃなかったの。それとも、何か別のわけがあるのかな。」
物子「別のわけなんか、あるはずないわ。外へ連れて行くのがめんどくさいだけよ。きっと。」
探偵「君たち、そこまで言うのなら、もう校庭の観察は十分したわけだね。」
博「なにさ、校庭の観察って。校庭なんか、みんなが走り回っていてうるさいし、虫なんかいないんじゃないかな。」
物子「そうよね。花壇（かだん）はあるけど、野草なんかないと思うけど。」
探偵「ははーん。先生が、君たちを外へ連れていかないわけがわかった。もっと身近な場所で観察の目をみがきなさいっていうことだよ、きっと。」
博「そうかなあ。でも、校庭の観察なんておもしろくないと思うけど。」
探偵「そんなことないさ。じゃあ、ぼくが校庭を歩いてとってきた写真を見せてあげるね。」
校庭の木を観察しよう →葉っぱくらべ →木の形くらべ →木のはだ比べ →木の名札をつけよう
校庭の草を観察しよう →草取りの時に →つる草をいかそう
校庭でむしを探そう →落ち葉だまりを探せ →石の下にも →食べあとがあれば →かべで探そう
博「ふーん。校庭でもいろんな観察ができるんだ。」
物子「私たちの学校でもやってみましょうよ。」
探偵「やっときげんが直ったみたいだね。何か発見があったら教えてね。」
※校庭の取材と撮影では、平塚市立八幡小学校のご協力をいただきました。関係者の皆様にお礼申し上げます。