わたしたちは「相模川流域の自然と文化」をテーマに活動している地域博物館です

ヒメハルゼミ

鳴く虫・はねる虫 (夏の鳴く虫セミのなかま)

ヒメハルゼミ

最終更新 1998年5月

Euterpnosia chibensis Matsumura
(セミ科)
全長3.5cmくらいの小型のセミで、黄褐色で胸背には緑褐色の斑紋がある。茨城県及び新潟県以西に分布し、関東中部地方ではその産地は新潟県能生町を除いて太平洋側に限られている。その分布は照葉樹林と結びついており、カシ類の多い社寺林で集団発生していることが多い。本種は合唱性のあることでも知られ、ウィーン、ウィーンなどと聞こえる声で、断続的に数分間づつ合唱する。発生期は7月中下旬である。神奈川県では箱根町湯本の早雲寺が発生地として知られているが、これは1947年に歌人並木秋人氏が発見し、翌年沢田秀三郎氏によって確認されたもので、1965年に箱根町の天然記念物に指定された。現地は早雲寺裏の墓地を取り囲むシラカシ・アラカシを中心とする常緑広葉樹林で、推定約300匹の合唱が聞かれる。道を隔てて反対側の白山神社の森にも数十匹のコロニーがある。

ヒメハルゼミの抜け殻

ひめはるぜみ分布




ページの先頭へ