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発見!ひらつかの民俗
第7回 第3回ひらつか囃子太鼓フェスティバル(2010年3月27日実施)
ひらつか囃子太鼓フェスティバルは、2005年に博物館の夏期特別展「ひらつかのお祭り−その伝統と創造−」の関連行事として、市内8つの囃子太鼓団体を招待し、文化公園ステージにて盛大に開催された。その日の暑さとセミの声、つんざくような太鼓の音に包まれた会場の興奮は今でもまざまざと蘇ってくる。このフェスティバルを毎年開催してほしいという嬉しい要望も聞かれた。しかし、大音量の太鼓の競演は騒音のリスクが高く、博物館周辺での開催は自重せざるを得なかった。
昨年、ついに太鼓仲間の有志が立ち上がって実行委員会を組織し、会場を中央公民館に移して第2回ひらつか囃子太鼓フェスティバルの開催にこぎつけた。今年第3回は、昨年のノウハウを生かし、実行委員会と博物館の共催で3月27日(土)に中央公民館で開催した。
今回は出演団体が増え、大ホールでの舞台発表に9団体、浅間緑地での競合に7団体が出演した。13時に博物館の明石館長の挨拶で開会し、運営母体でもある博物館太鼓連(お囃子研究会会員)の演奏でスタートした。今回は2種類の「キザミ」と「鎌倉」をレパートリーに加え、さらに名手・実行委員長の笛が付いて、少し進化した。課題はミスを少なくすること、しっかり叩くこと、演奏者の層を厚くすることである。
▲明石館長の挨拶 | ▲博物館太鼓連 |
平塚市夕陽ヶ丘(須賀)の三嶋神社太鼓保存会は初出演。演奏者はすべて女の子なのに、5台のツケ(締太鼓)で迫力があった。ゆったりと重厚感のある囃子で、強弱のメリハリがきいていた。大磯町の長者町囃子保存会も初出演。ダイナミックでありながら繊細さも兼ね備える囃子で、小バチの入れ方が個性的であった。平塚市豊田地区(本宿)の宿和会は、昨年に続き、ツケ、大胴、笛の3人編成で、スリリングな演奏を聞かせてくれた。
▲三嶋神社太鼓保存会 | ▲長者町囃子保存会 | ▲宿和会 |
続いて宿和会は、山陰地方などに伝わるという神楽「紅葉狩り」を披露した。鬼や姫の面をかぶった演者が台詞をしゃべり、囃子が伴奏をする芸術性の高い演目であった。平塚市南原の諏訪神社鼓南会、平塚の二十四軒町若宮囃子保存会は昨年に続いての出演。二宮町二宮の中町囃子保存会は初出演。二宮町は毎年「二宮町民俗芸能のつどい」で切磋琢磨しているためか演奏の水準が高く、中町も囃し手のフォームがよく揃い、しっかりとした演奏を聞かせてくれた。中町の囃子は“鎌倉ばやし”と称しており、「宮聖天」「四丁面」などが平塚市の一般的な叩き方と違い、田村ばやしに通じる部分もあり興味深かった。
▲宿和会の「紅葉狩り」 | ▲諏訪神社鼓南会 |
▲二十四軒町若宮囃子太鼓保存会 | ▲中町囃子保存会 |
伊勢原市笠窪の笠窪祭囃子保存会、平塚市田村の田村ばやし保存会は昨年に続いての出演。田村は下町囃子連が出演し、力強い演奏で締めくくった。
▲笠窪祭囃子保存会 | ▲田村ばやし保存会 下町囃子連 |
17時より、会場を隣の浅間緑地に移し、競り合いの開始。博物館、宿和会、鼓南会、二十四軒町に加え、平塚市寺田縄の寺田縄結志会、北金目の北久保自治会、秦野市尾尻の尾尻太鼓連が参加し、7団体がいっせいに太鼓を叩きあった。
▲競り合いのようす | |
▲尾尻太鼓連 | ▲北久保自治会 |
▲博物館太鼓連 | ▲寺田縄結志会 |
こうして第3回のフェスティバルは終了した。入場者は200人を超えた。実行委員や出演団体の方には、朝から舞台の準備、受付、駐車場の係りなどに協力してもらった。この場を借りて感謝を申し上げたい。館長の挨拶にあったように、フェスティバルを通して囃子太鼓の輪が広がり、やがて大輪の花になるよう盛り上げていこう。次回、第4回ひらつか囃子太鼓フェスティバルは2011年3月26日(土)にひらつか市民センターホールで開催します。
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