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平塚の考古資料50選
39. 牛・馬や木製品につかわれたものか(「井」焼印)
遺跡名 厚木道遺跡(平塚市中原上宿字厚木道)
大きさ 全長23 ㎝
年 代 平安時代(9 世紀)
厚木道遺跡第1 地区(中原上宿遺跡群Ⅲ区)から焼印「井」が出土しました。このⅢ区では掘立柱建物跡・住居跡や緑釉陶器・墨書土器「曹司」「井」が、Ⅳ区では市内最大級の井戸跡が発見されています。「曹司」の墨書土器は、高林寺遺跡のものが全国的によく知られ、文献に登場する「曹司」が考古学で確認された資料として高い評価を得ています。しかし、解読が後になりましたが、発見年では厚木道遺跡の方が遡り、その学術的価値は大変高いものがあります。
焼印は所有を表す印として牛・馬や木製品に使用されますが、集団の標識文字との見解もあります。近接した第3
地区では土坑から解体された幼馬10 頭分の馬骨が、第4
地区では大型の掘立柱建物跡が発見されています。
焼印は国府の出先機関としての牧、大住軍団や健児所、駅家等の所在を探る手がかりになる資料と考えます。
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