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平塚の考古資料50選
27. 本物の代わりに滑石を用いた石製模造品(祭祀遺物)
遺跡名 十六町遺跡(平塚市南金目字沢狭)
年 代 古墳時代中期(5 世紀)
金目郵便局建設の際の事前調査で出土した、祭祀用の遺物です。いわゆる石製模造品と呼ばれるもので、「まつり」の道具として使う鏡や剣などを、本物の代わりに滑石を用いて模型として作ったものです。
十六町遺跡では勾玉・臼玉といった玉類と剣や鏡の模造品が、古墳時代中期の土器に混じって、合計2,500
点以上出土しました。左側2 列目の細長くやや丸みを帯びた三角形のものが剣形模造品、右側のほぼ円形で小さな孔があいているものが鏡形模造品と言われているものです。市内では、ほかに渋田川沿いの南原C遺跡でも同じような石製模造品が出土しています。
かつての金目川は氾濫を繰り返す暴れ川で、現在よりずっと北の、ちょうど十六町遺跡のあたりを流れていたことがわかっています。南原C遺跡とともに、この十六町遺跡も川べりに位置することから、川を対象にした水の「まつり」に使用した可能性が考えられています。
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