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平塚の考古資料50選
26. 弥生農耕祭祀の終わりを示す青銅器(小銅鐸)
遺跡名 内沢遺跡(平塚市公所字内沢)
大きさ 総高10 ㎝、鈕2.5 ㎝、身7.5 ㎝
年 代 古墳時代前期(4 世紀)
広川・公所遺跡群内沢遺跡は、谷頭に営まれた古墳時代前期の集落で、中央に自然流路と考えられる溝があります。小銅鐸はこの溝から2
片に割れた形で出土しました。溝がかなり埋まった段階に、集落で使用された大量の土器と共に
意図的に壊して廃棄されたようです。
小銅鐸は関東地方では、弥生時代後期から古墳時代前期にかけて農耕祭祀で鳴らす祭具として使用されたと推測されています。神奈川県内では海老名市の本郷遺跡に次いで2
例目の出土となりました。最新の研究では、小銅鐸は東海地方のいずれかで制作され、この地域から小銅鐸を使用した祭祀が弥生時代後期に関東地方に伝えられましたが、古墳時代になると青銅製の鏡を使用する祭祀に変化したため、従来の祭
具としての小銅鐸は役割を終えて、古墳時代前期の墓に埋納されたり、廃絶された竪穴建物などから出土するとの考え方が有力になってきています。
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