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平塚の考古資料50選
25. 大和王権との関わりをしめす鏡(三角縁四神二獣鏡)
遺跡名 真土大塚山古墳(平塚市真土字十四ノ域)
大きさ 径22.1 ㎝
年 代 古墳時代前期(4 世紀)
真土にかつてあった大塚山古墳から出土した古墳時代前期の青銅製の鏡で、鏡の縁の断面が三角形であるところからこの名があります。神獣鏡とは神仙思想に基づく東王父や西王母などの神仙像と、龍や虎といった瑞獣を半肉彫で表現した文様が施されたものを言い、この鏡は4
体の神像と2 体の獣像が鋳出されていることから四神二獣鏡と呼ばれます。また「陳是作竟甚大好 上有王父母 左有倉龍右白虎 宜遠道相保」の文字が刻まれた銘帯も見られます。文様や鏡の厚みなどの特徴から、この鏡は三角縁神獣鏡のなかでも比較的新しいグループに属すると考えられています。
三角縁神獣鏡の多くは、同じ型から作った同笵鏡が京都府の椿井大塚山古墳を中心に全国の古墳に分散して発見されていて、この鏡も椿井大塚山古墳1
面、岡山県備前車塚古墳2面、兵庫県権現山51
号墳1 面の同笵鏡が確認されています。平塚の地がヤマト王権と深いつながりがあったことを示す貴重な資料と言えます。
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