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平成14年7月

平塚の考古資料50選

10. 儀礼に使われた土器(注口土器) 

遺跡名 内ムクリB遺跡(平塚市上吉沢字内ムクリ)
大きさ 高さ11 ㎝(口縁部まで)
年 代 縄文時代後期(約2,500 年前)

高い脚台と、注ぎ口に平行する土製の釣手が特徴的な注口土器です。この時期までの神奈川県域は南関東地方のなかでも注口土器作りが盛んな地域であり、多くの注口土器が出土しています。
通常、それらには深鉢や鉢形土器とは異なる独特の文様が描かれますが、この例では同時期の鉢形土器と共通の文様になっています。こうした点に、盛んだった注口土器作りが一段落する、その最後の様相がうかがわれます。
この例以降、この地域では注口土器の出土量が減り、反対に東北地方の注口土器作りがどんどん盛んになっていくという現象が認められます。しかし、東北地方の注口土器がこの地域で出土することは希です。
注口土器は何らかの儀礼の場で使用されたものと推定されます。上のような現象は、儀礼の変化や、東北地方との交流の変化を物語っているのでしょう。

注口土器

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                                                              平塚市博物館 254-0041 神奈川県平塚市浅間町12-41

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