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平成14年7月

平塚の考古資料50選

9. 謎を秘めた炭化球根(キツネノカミソリ類) 

遺跡名 上ノ入遺跡(平塚市岡崎字上ノ入)
大きさ 粒径長約2 ㎝
年 代 縄文時代中期(約4,200 年前)

上ノ入遺跡の加曽利E式期の竪穴住居跡の床面から、キツネノカミソリ類の炭化した球根とオニグルミが発見されました。この二つの炭化した資料は、縄文人の食料を知る上で貴重な情報を提供してくれました。特に、前者は全国初発見の資料として大変重要な意味をもち、唯一の出土例となっています。
このキツネノカミソリ類はヒガンバナ科に属し、もともと日本にあったものと考えられており、明るい林内に自生しています。しかし、有毒なアルカロイドを含んでいるために、食用とするには、水晒しなどの毒抜きが必要となります。この時代はドングリやトチを水に晒すことによって食料としていますので、本資料も食用にした可能性が高いと言えます。また、台地の集落はかなり日当たりがよく、手入れされた里山のような景観であったことがわかります。


キツネノカミソリ

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                                                              平塚市博物館 254-0041 神奈川県平塚市浅間町12-41

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