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平成14年7月

平塚の考古資料50選

7. 砂丘から出土した土器(勝坂式土器) 

遺跡名 諏訪前A遺跡(平塚市四之宮字諏訪前)
大きさ 口径26 ㎝、高さ29.5 ㎝
年 代 縄文時代中期(約4,500 年前)

この縄文土器は古代の8 号掘立柱建物跡の2 号柱穴を精査中に、地表下1.4 m(標高7.5 m)で逆さまの状態で発見され、埋設した形跡はなかったと報告されています。この発見から、この完形品が出土した第3 縲鰀 4 砂丘列は、縄文時代中期以前に形成されていたことがわかりました。
土器は口縁部が深く内傾するキャリパー形の深鉢で、筒状の胴部から底部へかけて緩く屈曲する曲線のバランスがきれいです。口縁には大小対になった把手が4 個付き、文様帯には刻目を入れた隆帯によって区画文がめぐります。区画の中には玉抱き三叉文と呼ばれる勝坂期に好まれる沈線文が配置されています。胴部文様帯には、刻目隆帯による三角形と楕円形の幾何学的な区画文がめぐっています。
縄文中期になると市内沖積低地にも遺物や遺構が確認されていますので、低地での活動が始まったのでしょう。その点でも、この土器は市内の縄文研究にとって出土状況、保存状態ともに極めて良好な資料と言えます。

勝坂式土器

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