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平成14年7月

平塚の考古資料50選

6. カエルの文様がある有孔鍔付土器(勝坂式土器) 

遺跡名 上ノ入遺跡(平塚市岡崎字上ノ入)
大きさ 口径27 ㎝、高さ43.5 ㎝
年 代 縄文時代中期(約4,500 年前)

上ノ入遺跡の竪穴住居跡の覆土から、勝坂式の有孔鍔付土器が発見されました。この土器の名前は、口縁部の下に一周する鍔状の隆起帯に沿って多数の小さな孔があることから付けられました。その用途に関しては、種子保存容器説、醸造用容器説、太鼓説がありますが、近年、醸造用容の見解が多く発表されています。
この土器の最大の特徴は抽象的な文様が施されていることです。この文様をヒトと見る研究者がいますが、全体の文様構成から、ガマガエルを表したものと考えます。当時の縄文人は、カエルやヘビは「再生」する生き物と考えていたようです。ここに、縄文人の精神文化を窺い知ることができます。多分、祭りの時に、この容器でお酒をつくり、ムラの末永い繁栄と動植物の再生の願いを込めて飲み交わしたのではないでしょうか。


有孔鍔付土器


    

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