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平塚の考古資料50選
4. 地域間の交流による土器(五領ヶ台式土器と北裏C式土器)
遺跡名 北金目塚越遺跡(平塚市北金目字溝ノ尾)
遺跡名 原口遺跡(平塚市上吉沢字吉浜)
大きさ 深鉢 口径24.2 ㎝、高さ18.7 ㎝
鉢 胴部最大径36.2 ㎝、高さ19.3
㎝
年 代 縄文時代中期(約5,000 年前)
原口遺跡の縄文時代中期前葉(約5,000 年前)にはムラが営まれていましたが、その一角から五領ヶ台式の深鉢と北裏C式の鉢が重なって出土しました。五領ヶ台式土器はこの時期、関東から中部地方にかけて盛んに作られた土器で、円筒形の胴部に半球状に開く口縁部が付く深鉢の形態や、雲母を含む砂質の胎土は、この型式に特徴的なものです。
一方、北裏C式は東海地方を中心に分布する土器で、搬入品と考えられます。ボール状の鉢の形態、肌色の胎土や硬質薄手の焼成は五領ヶ台式とは対照的です。二つの土器が一緒に出土した事実は、分布を異にする両型式の時期が同じであったことや、地域間に交流があったことを証明する上で大変重要です。原口遺跡からは、このほか、近畿地方に分布する鷹島式土器や、神津島産の黒曜石が多量に出土しており、黒潮を利用した交流が盛んに行われていたことがわかります。
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