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予想される地震
国土交通省国土地理院の諮問機関である地震予知連絡会は、将来、大きな地震が起こる可能性が高いと考えられる地域として、2ヶ所の観測強化地域と8ヶ所の特定観測地域を指定しています。2箇所の観測強化地域は東海地域と南関東地域で、前者では東海地震が、後者では南関東地震などの発生が指摘されています。神奈川県では下の5つの地震を想定し検討しています。
■東海地震
東海地震はフィリピン海プレートが沈み込む駿河トラフ〜南海トラフで起きる巨大地震で、1854年の安政東海地震では震源域が遠州灘〜駿河湾にまで及んでいたのに対して、1944年の東南海地震では遠州灘までしか及んでいません。従って、駿河湾付近は安政東海地震以来、 150年以上地震の空白域になっており、駿河湾西岸の顕著な沈降と、東西方向の水平圧縮が観測されていることから、駿河湾付近を震源とする地震の再来が叫ばれています。東海地震を予知しようと昭和53年に大規模地震対策特別措置法が制定され、観測体制が強化されました。それに伴い神奈川県内では海老名市〜茅ヶ崎市以西の県西部8市11町が東海地震の地震防災対策強化地域に指定されています。
東海地震に対しては、配置されている観測機器に異常を感知したとき、東海地震予知判定会が緊急招集され、地震発生の可能性が高いと判定された場合、内閣総理大臣名で「警戒宣言」が発令されます。県が行ったこの地震の被害想定では、平塚を含む強化地域内で震度6弱以上、全県で震度5弱以上の揺れと想定され、液状化などの被害が推定されています。
■南関東地震
南関東地震は、相模湾を震源とする巨大地震で、1923年の大正関東地震(マグニチュード7.9)の再来を想定したもので、今後100〜200年先には発生の可能性が高いとされます。県の震度予想では震度7(400ガル以上)が酒匂平野・厚木以南の相模川低地・金目川低地等に、震度6強(320〜400ガル)が県西部〜県中部にかけて広く分布しています。酒匂平野や相模川下流域では液状化の可能性が極めて高いと予想されています。
■神奈川県西部地震
神奈川県西部を震源とするマグニチュード7級の地震で、地震発生の切迫性が指摘されています。神奈川県ではこの地震を想定して、東海地震の「地震防災対策強化地域」に指定されている茅ヶ崎・海老名市以西の8市11町を対象として、地震動・液状化・崖崩れ・津波に対して被害想定をまとめ平成5年5月に公表しました。それによれば、小田原・湯河原・真鶴では震度6〜7が、厚木以南・茅ヶ崎以西の県西部のほぼ全域で震度5が、平塚では震度5〜6が想定されています。
■神奈川県東部地震
神奈川県の平成11年の被害想定では、上記の地震の他に、危機管理的な視点から神奈川県東部地震と、神縄・国府津−松田断層帯地震を取り上げ検討を加えています。神奈川県東部地震は、県庁直下を震源域とするマグニチュード7級の直下型地震で、県中央部から東部にかけて震度5強以上、湘南地域は震度6強以上の揺れが想定されています。
■神縄・国府津−松田断層帯地震
この地震については、平成9年に国の地震調査研究推進本部から、「今後数100年以内に発生する可能性がある」との発表がなされています。県ではこの断層帯とその海域延長部を震源とするマグニチュード8級の地震を想定しています。
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