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最終更新 2007年12月

秦野盆地を区切る渋沢断層と秦野断層


大磯丘陵と秦野盆地を境する渋沢断層
 渋沢断層は大磯丘陵と秦野盆地を境する断層です。言い換えれば、渋沢断層が活動したために秦野盆地は生まれ、大磯丘陵から切り離されました。渋沢断層については、神奈川県が平成9・10年にボーリング調査やトレンチ調査などを実施し、千村〜曲松間の渋沢西断層と渋沢〜尾尻間の渋沢東断層に分け、両者を併せて渋沢断層系としました。県の調査ではこの断層はA〜B級の活断層とされます。秦野市上大槻の浄水管理センターの工事の際、2500年前以降に活動した可能性があることが指摘されています。
■渋沢断層の活動に伴う河川争奪
 5万年前以降の渋沢断層の活動で大磯丘陵側が隆起したことにより、河川の流路が大幅に移り変わっています。数万年前までは、水無川も金目川も中井町を通って、南へ流れていました。それはかつての河原を示す段丘礫層の分布から知ることができます。平塚市域の金目川沿いには、3万年前以降の段丘しか分布せず、それ以前には平塚市域を流れていませんでした。平塚の金目川は、渋沢断層の活動により、葛川の上流であった蓑毛付近の金目川を葛川から奪い取ったものなのです。
■秦野盆地内の活断層
 秦野盆地内では、従来、秦野断層が北側隆起の、北東−南西に走るA級の活断層(逆断層)として知られていました。この断層の活動により、国立神奈川病院の載る落合の葛葉台面(下末吉期)は、北方へ傾動し、葛葉川に見られる蛇行も形成されたと考えられています。平成9・10年に、神奈川県により秦野盆地内の活断層が調査されました。この報告によれば、秦野断層はA〜B級とされ、それ以外にも、北東−南西方向の並行した4つの活断層が報告されています。下図からも断層地形を伺うことができます。

菜の花台から渋沢断層を望む 断層で形成された秦野盆地
▲秦野市菜の花台から渋沢断層崖を望む
▲渋沢断層の活動で形成された秦野盆地


秦野盆地の地形と断層分布

▲秦野盆地周辺の地形と断層分布・渋沢断層の活動に伴う河川争奪


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