3 川から海へ
●クルミは語る
波打ち際で拾う物の中には、野山や街のものもたくさん含まれています。たとえば、必ず拾える物の一つであるオニグルミの実を見ていると、山の自然と海の自然が川を通してつながり合っているということを実感することができます。きれいに穴が開いたオニグルミは、アカネズミが食べたものです。拾った物の観察は、生きもののつながりについてもいろいろなことを教えてくれます。
アカネズミが穴を開けたオニグルミ
●海を汚す人工物
海岸でビーチコーミングをしていると、やはり目立つのが数多くの人工物です。かっては空き缶や空きビンが多くを占めてきましたが、現在はプラスチック製品が大部分です。容器では、特に近年ペットボトルが多くなっています。
プラスチックは、自由に加工成形することができ、割れにくく丈夫なこともあって、たいへん便利な素材として私たちの生活のあらゆる部分で使われています。しかし、自然界に捨てられると、それを分解するバクテリアなどが存在しないので、いつまでも腐らずに環境を汚し続けるやっかいな存在になります。バラバラにこわれてもそのまま海に浮かび続け、海の動物の体内に入るような害も指摘されています。
ビーチコーミングをしながら、海辺をきれいにしたり、ゴミの原因を考えることもだいじなことです。
たばこのフィルターはどこの海岸でも多い
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