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「相模川の生い立ちを探る会」
大地の声を聞く(6)
ここでは、「相模川の生い立ちを探る会」に参加している会員の方々が大地に触れ、感じとった大地の声を聞いてみましょう。
■燐灰石のつぶやき 僕の仲間の多くは、ゴマシオ石あるは御影石とも言われている花崗岩の中に少量混じっています(副成分鉱物という)。神奈川県でも丹沢山塊の中心を占めているトーナル岩なる花崗岩の一種に集まっていますが、そこから浸み出したような脈に白い六角形の整った姿でいるのが僕です。ほぼ一緒に生まれた緑色の緑泥石が布団のように囲んでいます。僕の親族の多くは弗素を主成分に持っていますが、僕は埼玉県の秩父鉱山の一部で見つけられた兄弟と同じで塩素を主成分にしている変わった種類に属しています。(K.K.) |
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玄倉で産出する燐灰石 | |
■転石ジオロジー 川や沢に落ちている石は、その石が流れてきた先の、上流の地質を反映しています。そのため河川によって落ちている石の種類もかなり異なります。特に相模川の河原では、グリーンタフやトーナル岩が多く、中には溶岩やホルンフェンス、化石までもが転がっています。化石はかなり怪しい物なのですが、これらは相模川上流の、丹沢や富士山を起源とする石です。ただ落ちているだけのような石にも故郷があり、落ちている事にも理由があるのです。(A.I.) |
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相模川下流の神川橋河原で石ころを分類する | |
■石に含まれる結晶 探る会の館内作業で、野外で採取した岩石の小片切り出しと薄片作りのお手伝いをした。薄片は平らに磨かないと駄目と言われたが、平面を出すってどうしたら分かるの?研磨した面を部屋の明かりに反射させると綺麗に蛍光灯の形が見える。なるほど、これがノウハウか。片面の磨きが終わると、反対面の磨き。平面は出せるが20ミクロンの厚さにするんだって?。指で触ってこれ位の感覚とか。これもノウハウ。最後は顕微鏡での検査。まだ右が厚いなど言われながら少しずつ磨く。磨くにつれて結晶の色が突然きらきら輝く宝石の集合になってくる。あの綺麗でもない石もこんなに素敵な姿を隠しているなんて、神秘的な発見でした。(I.Y.) |
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玄武岩溶岩の中にある気泡を埋めて緑泥石と方解石の結晶が見られます | |
■火山弾 今回は富士スバルライン3合目樹海台展望台に集合した。スバルラインに沿って少し下り、その下をくぐりぬけようとした所、早くも資料採集となった。なにやら、お餅がべチャッとへばりついたような形の石である。先生の話では、びしゃびしゃの溶岩が飛んできてそのまま固まった“スパッタ”とのことであった。さらにそこから100メートルくらいの所で揚げ煎餅のような“スコリア“と”パン皮火山弾“を採集した。さらに2合目小屋手前でも黒い玄武岩を採集、大きな泡が入った黒砂糖入り蒸パンのようだ。今回はなにやらおいしそうな名前の資料採集であった。(Y.T.) |
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富士火山の特徴的な紡錘状火山弾 |
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