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寄贈品コーナー
南の海から生まれた火山島
ー丹沢・御坂・巨摩ー
平成16年11月17日(水)~平成16年12月12日(日)
丹沢山地はかつての海底火山の噴出物が1万メートルを超える厚さで積み重なっており、その岩石はグリーン・タフ(緑色凝灰岩)として知られています。丹沢を流れる相模川も酒匂川も河原の石に緑味がかった石が多いのは、そのためです。プレートテクトニクスの研究が進み、海洋や火山島の堆積物や溶岩の詳細が明らかになり、現在の火山島の様々な特徴や性質を基にして、現在では火山の形をなさない過去の海底火山についても、次第に明らかになってきました。
丹沢山地は過去1700万年前頃、古伊豆小笠原弧(大島~八丈島~小笠原へ連なる孤の前身)の南の海の海底火山として生まれ、フィリピン海プレートに乗って年数cmのスピードで北上し、500万年前頃、本州孤に衝突し、沈み込めずに付加したものと考えられています。その証拠として、厚い火山灰の他に、海底に流れた溶岩や水中で破砕された溶岩の角礫岩、熱帯を示す珊瑚礁の化石などが、丹沢各地で知られています。南の海で生まれた火山島はこの丹沢島だけでなく、富士山の北側にある御坂山地、富士川の西側にある巨摩山地も、海底火山として生まれ、丹沢に先駆けて、本州に衝突したものと考えられています。
今回の寄贈品コーナーでは、この丹沢・御坂・巨摩山地がかつての海底火山であった証拠を示す資料を展示し、南の海で生まれた火山島に思いを馳せていただければと思います。
早戸川上流に見られる枕状溶岩。枕を積み重ねたような溶岩は、かつての丹沢火山の火口から流れた溶岩流が海中に流れたことを物語る。
御坂山地にも、丹沢と同様の枕状溶岩が何カ所も知られている。緑色をした玄武岩できれいな枕状構造が見られる。
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