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    ツバキのなかま<植えられる木> (2005.1)

サザンカ
物子「『サザンカ・サザンカ咲いた道、たき火だ、たき火だ・・』って歌うんでしょ、探偵さんは。」
探偵「ずいぶん古い歌を知っているね。すごくなつかしいな。」
物子「おばあちゃんに聞いたのよ。昔の小学生が歌った歌だって。」
探偵「おばあさんか、ちょっとショック。それはともかくとして、サザンカは九州や沖縄には白い花の咲く野生の木があるんだ。平塚あたりで見られるのは、園芸用に改良されたもので、ピンクのものや八重のものもあるよ。」
博「ツバキはどこがちがうの?」
探偵「大きなちがいは、花の散り方だね。ツバキは花ごとぼてっと落ちるけど、サザンカは花びらが1枚ずつ落ちる。」
カンツバキ
博「これもサザンカじゃないの?」
探偵「よく似ているけどね、これはカンツバキ。ヤブツバキとサザンカの雑種をもとに品種改良されたものらしいよ。」
物子「花びらが1枚ずつ散るのは、サザンカらしいわね。」
探偵「よく観察すると、葉柄(ようへい)なんかに毛が生えているのもサザンカの特徴だね。」
博「じゃあ、ツバキの特徴はどこにあるの?」
探偵「サザンカと違って11月頃から、3月頃まで長く咲き続けるのはツバキ的だね。その利点があるので、街中の植え込みに植えられることがふえているね。」
チャノキ
探偵「お茶の木もツバキのなかまだよ。」
博「お茶って、緑茶とか紅茶を作るやつ?」
探偵「そうだよ。どのお茶も、この木の新芽をつんで使うんだ。神奈川県だと山北町に行くと広いお茶畑があるよ。静岡県に行けば、お茶の本場だ。平塚あたりだと、畑の境なんかによく植えているね。11月頃に白い花が咲くよ。」
物子「花の感じは、ツバキにそっくりね。」
モッコク モッコク
探偵「庭木のよく植えてあるモッコクもツバキ科の種類だ。千葉県より西には野生の木があるというけど、神奈川県のものは植えたものか、それが逃げ出したものだと思うな。」
博「モッコクの葉がつやつやしている木だよね。実がはじけると赤いたねが出てくるんでしょ。」
探偵「博君は、なかなか木のことにくわしいね。同じツバキのなかまでも、実は変化にとんでいる。ヤブツバキやチャノキは実がはじけると茶色くてかたいたねが出てくるし、ヒサカキなんかは果肉の多い黒い実をつける。そんなことを比べてみるのもおもしろいね。」

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