えさとり、5つのわざ (2004.12)
物子「ユリカモメは、いろいろなえさの取り方をするっていうけどたとえばどんなやり方をするの?」 探偵「まず、いちばんふつうに見られるのは、川の水面に浮かんで、流れてくるものをついばみとるやり方だね。たとえば、羽化しようとしているユスリカなんかがよく流れてくるからね。」 博「足踏みでは何を食べるの?」 探偵「川底の水草なんかを踏んで、浮かび上がってくる動物を食べるんだ。ミズムシというエビに近いなかまなんかが出てくるんじゃないかな。」 物子「横取りなんていうこともするの?」 探偵「干潟(ひがた)のようにたくさんの水鳥が集まってえさをとっている場所だと、ほかの鳥を追いかけて、えさを落としたところを横取りするのが見られるよ。」 博「飛びながら水面をすくうと何がとれるんだろう?」 探偵「これは、河口の浅瀬に魚の群れが入ってきた時なんかに使うやり方だ。下くちばしを水につけて、前進して魚をつかまえるんだ。」 物子「そんなやり方で魚がとれるってちょっと信じられない。」 探偵「それほど能率的ではないけど、けっこう上手につかまえるよ。アメリカやアフリカには、ハサミアジサシという、こういうやり方で魚をとるのに専門化した水鳥がいて、その鳥では下くちばしの方が長くなっているんだ。」 物子「なんか、ぶかっこうね。」 探偵「もう一つの魚のとり方は、水中にザブンと飛び込む方法だね。」 博「それってコアジサシのやり方と同じでしょ。」 探偵「コアジサシほど上手じゃないけどね。」 物子「いろいろなえさの取り方をするということは、いろんなものを食べているっていうことかしら。」 探偵「その通り。ユリカモメの場合、海では魚の死体なんかを食べることが多いけど、干潟や川ではいろいろな小動物を食べているね。魚も食べるし虫も食べる。川がよごれてくると、ユスリカなんかが増えてくるから、ユリカモメにとってはつごうがいいと言える。」 博「じゃあ、川でユリカモメを見ても、喜んじゃいけないんだ。」 探偵「そう、どちらかというと、少しよごれた川によく入ってくるね。」 物子「見かけがきれいだからといって、きれいな川のシンボルというわけじゃないのね。」 |
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