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    ミズナギドリのなかま (2004.5)

博「わあ、たくさん鳥が見えてきた。水平線より下だから、あれはミズナギドリの仲間かな?」
探偵「その通りだ。よく見ると2種類のミズナギドリがいるのが分かるかい?」
物子「白っぽいのと黒っぽいのかしら。」
探偵「その通り。飛んでいる時には分かりやすいけど、体の下側や翼の中央の下側がはっきり白いのがオオミズナギドリという種類だ。伊豆七島の御蔵島(みくらじま)では、何万羽もが巣を作っているから、相模湾にもたくさん飛んでくる。春から秋までなら、いつでも見られる海鳥だ。」
博「ということは、もう1種類は、見られる季節が短いの?」
探偵「黒っぽい方はハシボソミズナギドリという種類だけど、オーストラリア近くのタスマニアという島で巣作りをする種類なんだ。日本の真冬に子育てをして、それから太平洋を北上して、5,6月頃、日本近海に現れる。秋に南に戻る時は、陸の近くは飛ばないから、相模湾で見られるのは初夏だけということになるね。」

飛ぶオオミズナギドリ 海面に浮かぶハシボソミズナギドリ
飛ぶオオミズナギドリ
(青木雄司氏撮影)
海面に浮かぶハシボソミズナギドリ
(青木雄司氏撮影)


探偵「オオミズナギドリは、漁師さんにとって大事な鳥なんだ。」
博「どうしてなの?」
物子「魚を食べるんだろうから、漁師さんの敵みたいに思うけどね。」
探偵「オオミズナギドリは、魚の群れを見つけると大勢が集まって来る。まるで蚊柱(かばしら)が立つみたいに、群れ飛ぶこともある。そうしたようすを漁師さんたちは『なぶら』と呼ぶんだ。そしてなぶらを見つけると、大急ぎでそこに船を走らせる。」
博「鳥に食べられない内に魚をとろうとするのかな?」
探偵「なぶらの下には、イワシのような小魚が集まっていることが多いんだ。なぜ集まっているかというと、カツオのように大きな魚に下から追いつめられて、海面に集まって来ているんだね。」
物子「ということは、そこに行けば、大きな魚がとれるということね。」
探偵「その通りだよ。カツオやシイラなんかを釣る時には、海鳥を目印にポイントを見つけるのさ。」

ミズナギドリの群れ

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