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カワウは何を食べてるの? (2006.4)

博「カワウは何を食べてるの?」
物子「このくちばしを見れば、すぐに分かるわよね。川にいるんだし、魚でしょ。」カワウのくちばし
探偵「その通りだけど、くちばしの形でよく分かったね。」
物子「そりゃあ、分かるわよ。魚が逃げないように、先が曲がった形をしているじゃない。」
博「どんな魚をとるの。」
探偵「カワウは潜るのが得意な鳥で、魚は手当たり次第なんでも食べるんだ。フナとかオイカワなんかはもちろん、大き目のコイとかブラックバスなんかも食べるらしいよ。けっこう、大食いでもあるので、これが問題を引き起こしてもいるんだ。」
物子「何が問題なの?」
探偵「相模川や多摩川には漁業組合があって、アユの稚魚を放流しているんだね。その魚をカワウが食べてしまうというんだ。」
物子「川には、サギとかカワセミとか、魚をとる鳥がほかにもいるのに、なんでカワウだけが問題になるの?」
探偵「川には、魚がいてそれを食べる鳥もいるというのが自然の姿だから、魚を食べる鳥に文句(もんく)を言うのは人間だけの都合(つごう)だね。ただ、カワウの場合は、体が大きくてたくさん食べること、群れで行動するので集中してそこにいる魚を食べつくすようなことがある、特にここ数年増えてきたというようなことが重なって、被害(ひがい)が大きいと言われがちなんだね。」
博「で、解決法はあるの?」
探偵「それについては、漁業組合だけでなくて、県の水産総合研究所や、野鳥の会なども加わって対策の話し合いが持たれている。カワウの実際(じっさい)の数とか、どのくらいの種類と量の魚を食べているかとかも調べが進んでいる。放流した直後の被害を少なくするためには、川岸に案山子(かかし)を立ててカワウをその場所から追い払うような試みもされているよ。」
物子「鉄砲でみんな撃ち殺すというのでなくてよかったわ。カワウだって野鳥ですものね。」
探偵「そうだね。前のように農薬の影響で数が減るようなことがこれからも起きないとは限らない。川にカワウが見られるということは、健康な川であるものさしだという見方を忘れないようにしたいね。」


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