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自然探偵と市民の木クスノキ<春の落ち葉> 平塚市博物館公式ページ

   春の落ち葉 (2004.4)

博「ねえ、探偵。ちょっと質問なんだけど、クスノキってどうして春に落ち葉が多いんだろう。」
物子「そうよね、紅葉だってしてるし。秋と間違えてるんじゃない。」
探偵「春の落ち葉や紅葉もクスノキの特徴の一つだね。君たちも知っているとおり、クスノキは常緑樹(じょうりょくじゅ)と言って、冬も葉がついている。落葉樹の場合は、春に葉が出て秋に落ちるから、葉っぱの寿命(じゅみょう)は半年くらいだね。常緑樹の場合は、葉っぱの寿命を気にする人はほとんどいないけど、木の種類によってずいぶんちがうんだ。クスノキでは、新芽が開いて新しい葉が出てくると、冬を越した去年の葉はほとんど落ちてしまう。そこで春に落ち葉が多いわけだ。といっても全部落ちてしまうわけじゃなくて、少しは残るけどね。葉っぱの寿命で言えば、クスノキの場合はほぼ1年ということだ。同じクスノキのなかまでも、シロダモやヤブニッケイの葉は寿命がずっと長くて、枝を見ると、4〜5年分も葉がついているよ。」
博「右の写真もクスノキなの。ちょっと説明してほしいんだけど。」
探偵「この写真は、3月にとったもので、赤い矢印は、冬芽がふくらんできたところ。青い矢印は、冬をこしてきた去年生まれの満1才の葉だ。新芽が開くと、この葉はほとんど落ちてしまう。緑の矢印は、おとどし生まれの葉でもう紅葉している。数はほんのわずかだけど、この葉が残っているということは、新芽が開いた時に、去年の葉が全部落ちるわけではないことを示しているね。いつ生まれた葉かは、枝の色や分かれ方、節の位置なんかを注意深く見ていくとすぐにわかるよ。」

クスノキの落ち葉 3世代のクスノキの葉
クスノキの春の落ち葉 3世代のクスノキの葉


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