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    森の移り変わり (2004.11)

植生遷移のようす


探偵「これは、八俵山(はっぴょうさん)から少し湘南平(しょうなんだいら)に向かったあたりでとった写真なんだけどね。よく見て気づいたことがあったら言ってみて。」
博「道の左側の方が、下生えがよく茂っているみたい。」
探偵「そうだね。右側は、林の下が明るくて地面も見えるくらいだ。だけど、左側は低木がよく茂っている。それも、葉が深緑色に見えるから常緑樹が多いね。どうして、こんな違いがあると思う?」
物子「日当たりの違いかしら。」
探偵「それもいい意見なんだけど、この場合は当てはまらない。答えを言うと、人手の加わり方の違いなんだ。どちらがたくさん人手が入っているかな。」
物子「それは簡単ね。右側でしょ。」
探偵「その通り。道の右側は、時々下草刈りがされているので、林の下がいつも明るく保たれている。だけど、左側は手入れをせずに自然にまかせているから、だんだん常緑樹が多くなって森のようすが変わってきているんだ。常緑樹の中にはアオキのように低木もあるけど、タブノキのような高木の子どもも育ってきている。このまま時間がたつと、どうなっていくと思う。」
博「どうなるっていわれてもなあ、そうかタブノキなんかが育っていくと、もしかして高麗山みたいな森になっていくわけ?」
探偵「高麗山みたいなうっそうと茂った森になるには、何百年もの時間が必要だけどね、この道の左側は確実にそういう道を歩き始めているんだよ。そういう森の移り変わりのことを植生の遷移(しょくせいのせんい)という。ちょっと難しい言葉だけど、覚えておいてね。」

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