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    結果1<種類別・性別のぬけがらの数> (2004.8)

4.研究の結果
 2003年は冷夏で雨が多く、台風も通過して大変な夏でした。2003年は梅雨明けが非常に遅れ、神奈川県では2002年は7月20日だったのが2003年は8月2日でした。また、2002年は梅雨明け後、多少涼しい日があったものの、雨の日は8月19日だけでしたが、2003年は台風10号が8月9日に通過し、その後も曇りや雨の日がほとんどで晴れの日は僅かでした。調査した35日間で晴れは10日もありませんでした。10年ぶりの冷夏だったそうです。これはセミの羽化に大きな影響を与えるかもしれないと思いました。

(1) 種類別・性別ぬけがらの数
 <予想>
・今年は冷夏の影響で、セミの発生数は少ないだろう
・今までの研究からアブラゼミが一番多く、次はミンミンゼミ、ツクツクボウシになるだろう。
・アブラゼミ、ミンミンゼミはメスが多く、ツクツクボウシはわかっていない。

 <結果>

表1.ぬけがらの種類別・性別個体数の変化
2002年夏 種類 オス メス 合計 2003年夏 種類 オス メス 合計
アブラゼミ 967 1241 2208 アブラゼミ 2507 2800 5307
ミンミンゼミ 75 104 179 ミンミンゼミ 144 93 237
ツクツクボウシ 17 10 27 ツクツクボウシ 10
合計 1059 1355 2414 合計 2654 2879 5551

 2002年に2414個だったのが、鳴き声は少ないのに、なんと5551個も採集できました。

(図1)種類別のぬけがらの割合
種別の割合

 2002年も2003年も、アブラゼミが圧倒的に多かったことがわかります

(図2)種類別オス・メスの割合の違い
アブラゼミの性比 ミンミンゼミとツクツクボウシの性比

<考察>
・少ないどころか予想以上に多く羽化していました。今年は大発生の年だったのかもしれません。産卵し幼虫として育った数が多ければ、羽化するときは天候にあまり左右されないのかもしれません。
・アブラゼミは特に多く、去年の2.4倍の数にもなりました。メスが多いのも同じでした。アブラゼミには今年の夏は影響が少なかったと言えます。
・ミンミンゼミも去年より増えましたが、今年はオスが多くなりました。メスが少ないことについては、あとで述べます。
・ツクツクボウシは数が少なく、正確なデータが得られませんでした。


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