2003年 ぼくのセミニュース (2004.8)
○台風10号が来た!!
8/8の夕方、公園へ行くと幼虫たちが次々と穴を出て木を登っていた。気をつけて歩かないと幼虫を踏んでしまう。しかし、その夜、台風が近づいてきた。強い風!雨!雷!セミはどうなってしまうんだろう。
8/9早朝あらしの中、ドキドキしながら公園に向かうとひどいありさまだった。足元には成虫、幼虫、羽化しかけの幼虫の死体。折れた枝。風がふくたびにボトボトと幼虫や成虫が落ちてくる。でも太い幹のかげで風を必死にさけている成虫もいた。かしこいなあ。ガンバレ、セミたち。
○江戸時代にも神奈川県にクマゼミはいた!!
歴史博物館で働くぼくの父がある日こんな絵のコピーを持ってきた。ぼくはセミのことでは父より専門家だ。一目見てぼくはクマゼミだと思った。この絵は江戸時代の増山雪斎(1754〜1819)という大名がかいたものだそうだ。
しかも、文中の相州とは今の神奈川県だ。クマゼミは観音寺では普通のセミだけど、神奈川県では今でも海沿いでしか、発生しない珍しいセミだ。浜口先生の話だと、三浦半島の城ヶ島では戦前の記録があるらしい。これは神奈川のどこかわからないけど江戸時代だ!もしかして大発見かも?
○つきみの南公園はやっぱりセミのパラダイス
今年も平塚市博物館のぬけがら調べに参加したぼくは貴船神社と駒形神社の2ヶ所を担当し、7/28、8/8、18の3回調査に行った。どっちの神社かセミが好きなサクラの木はあるし木もいっぱい茂っているのにつきみの南公園ほど見つからない。多かった日でも50個ぐらい。ぼくは今まであまりほかの場所と比べたことはなかったけれど、ひょっとしたらつきみの南公園はセミにとって特別な場所かもしれないと気が付いた。セミが多く発生する条件とは何だろう?改めて考えてみた。成虫が集まる木があること、産卵する木があること。生まれた幼虫が無事育つ環境があること。土の成分がいいのかな?天敵が少ないのかな?幼虫が羽化する場所があること。ざっと考えてもこれくらいある。また新しい研究課題が見つかったぞ。楽しみだ。こんな普通の児童公園で毎年何千ものセミが発生するなんて、アンビリーバボー。地中には、いったいどれだけの幼虫がいるんだろう。
○早雲寺のヒメハルゼミ
8/13雨の合間をみて箱根湯本の早雲寺へヒメハルゼミを探しにいった。神奈川県ではここにしかいない、珍しいセミだ。でも時機が遅すぎた。鳴き声も抜け殻も確認できなかった。来年こそ!
○発見!昔の写真
祖父母の家の古いアルバムから大発見!南公園の昔の写真だ。サクラの木がこんなに大きくなるなんてびっくり。きっとこのころは母の言うとおりセミも少なかったんだろう。いつからここはセミのパラダイスになったのかな。
○四国でもエゾゼミは鳴いている!
去年、長野県の八ヶ岳の麓で初めてエゾゼミのぬけがらと幼虫をゲットした。今年は成虫を捕まえたいとトライしたけど木の高い所で鳴き声は聞こえるけど、だめだった。くやし〜〜。ぬけがらは新潟県湯之谷村、守門村でゲット。守門村では大部分アリに食われているけど成虫♂の死体を拾った。でかい、クマゼミくらいだ。
観音寺に帰って8/23石鎚山の近くにハイキングに行くと山道の所々で「ぎぃ〜〜」というエゾゼミの声。四国でも高い山にはエゾゼミがいるんだな。
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