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自然探偵シルエット     自然探偵と帰化植物のふるさと (2006.7)


博「ねえ、探偵。ちょっと意外なことを聞いたんだけど、夕方から花が咲くマツヨイグサってあるじゃない。あの花が、外国から来た種類だと言っていた人がいたんだけど、本当なの?」
物子「そんなことを意外に感じているようじゃ、博君もまだまだね。帰化植物(きかしょくぶつ)っていうのかしら、外国から来て野生化している植物は、うんとたくさん種類があるんでしょ。」
探偵「そうだね。博君が話題にしたマツヨイグサのなかまも帰化植物だ。ふだん、君たちが見ている植物の中で、どのくらいの割合で外国原産の種類があると思う。花壇で作ったり畑に植えたりしている植物は別にしてね。」
博「多いといっても、そうたくさんはないんじゃないのかな。10分の1とか15分の1じゃないかな。」
物子「私はもっと多いと思う。5分の1くらいはあるんじゃないかしら。」
探偵「平塚市内では、野生の種子植物、つまり花が咲く植物だけでおおよそ970種類が記録されている。その中で帰化植物は230種類くらい、つまり4分の1が帰化種という計算だね。」
博「そんなにたくさん外国の植物がはびこっているんだ。」
物子「そうよ。シロツメクサだって、オオイヌノフグリだって、ヒメオドリコソウだって、みんな帰化植物。あなどれないわよ。」
博「そんなにたくさんの種類が、どこの国からどうやって日本に入ってきたの?不思議だなあ。」
探偵「じゃあ、今日は帰化植物入門といこうか。」

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 → 帰化植物はどうやって来たか?

平塚の野生種子植物の中で帰化種のしめる割合
平塚の野生種子植物の中で帰化種の占める割合


参考文献/『原色日本帰化植物図鑑』(長田武正著 保育社);『日本の帰化植物』(清水建美編 平凡社);『神奈川県植物誌2001』(神奈川県植物誌調査会編 神奈川県立生命の星・地球博物館);『湘南植物誌5』(平塚市博物館)
/近年、「帰化種」という言葉にかわって「移入種」あるいは「外来種」という言葉がよく使われるようになりました。また、環境省によって『外来生物法』が制定されたので、今後は「外来種」という呼び方が一般的になってくると思われます。しかし、植物の場合は、帰化植物という呼び方が長年親しまれており、図鑑にも使われているので、ここではその呼び方で紹介することにしました。

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