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平成14年7月

平塚の考古資料50選

36. お寺の存在を示す仏像(金銅製小仏像

遺跡名 六ノ域遺跡(平塚市四之宮字大会原)
大きさ 高さ5 ㎝
年代 平安時代

金銅製の仏像は、これまで神奈川県内では、横浜市・平塚市・藤野町・山北町で各1 例ずつ知られていますが、いずれも中世以降のものです。ところが本仏像は鑑定の結果、平安時代の仏像であることが判明し、古代に遡る仏像としては初の出土例になりました。
素材は銅製で、本来は全面に鍍金を施していたようですが、剥落が顕著で部分的にしか残っていません。仏像の尊像名は天部立像で、その種類は吉祥天像と思われます。
この種の小仏像は、寺院跡・経塚・山岳信仰遺跡などの遺跡で出土する傾向が多いとされています。今回の調査地点からは、寺院の存在を直接裏付けるような基壇状の遺構や礎石は発見されませんでした。しかし、遺跡の付近は相模国府域のなかでも瓦の出土が目立つ地域であるだけに、寺院やお堂のような施設が周辺のどこかに存在していた可能性がより高まったと言えるでしょう。


金銅製小仏像


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