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平塚の考古資料50選
49. 鍛冶に関連したものか(三足付片口石鉢)
遺跡名 本宿B遺跡(平塚市豊田本郷字本宿)
大きさ 口径30 ㎝、高さ16.5 ㎝
年 代 中世縲恚゚世
本宿B遺跡の27 号井戸跡の井戸底から発見されました。この遺跡は砂丘縲恷ゥ然堤防上に立地し、古墳時代から近世にわたる複合遺跡で、中・近世が主体となります。
この石製容器は石鉢と呼ばれ、伊豆・箱根系の輝石安山岩を用い、三本の足と片口・把手が付いた優品です。このような完全な形の石鉢は、県下でも1
点のみで大変貴重な資料と言えます。
また、本資料と同じタイプの石鉢には細かい破片状のものが多く、また被熱・摩滅したものもあります。この点から消耗の激しい作業に使われた可能性が高く、本資料の用途としては鍛冶に関係したものと考えられています。
出土した場所は『新編相模国風土記』に記載された「福蔵院」の場所とほぼ一致しています。このことから、この寺に関連したものか、または、寺に関わる鍛冶屋の存在が考えられます。
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