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平塚の考古資料50選
46. 埋納された容器(常滑の三筋壺と伊勢鍋)
遺跡名 北金目塚越遺跡(平塚市北金目字小道)
大きさ 三筋壺 口径11.4 ㎝、高さ25.8 ㎝
伊勢鍋 推定口径24 ㎝
年 代 鎌倉時代(13 世紀)
真田・北金目遺跡群13 区は西向きの緩やかな斜面にあります。斜面上方からは道路に沿った柵列遺構が下方に向かい、それが途切れた標高29
mの位置に埋納遺構を検出しました。遺構の約1.5
mの深さに三筋壺が横倒しにされ、上には蓋として伊勢鍋の破片が置かれていました。
三筋壺は、鎌倉時代に主に経などを納めるための外容器として用いられたもので、胴部に三つの条線が廻ることからその名が付けられています。出土した資料は釉薬の剥げ落ちた部分があるものの完存品で、初期の常滑製品として考古学上はもとより美術的にも一級の資料です。
蓋として用いられていた伊勢鍋は伊勢地方に分布の中心をもつ丸底の土製鍋で、祭祀などに伴う煮炊きの道具と考えられています。この二つの資料のように、東国の鎌倉時代には日常の容器としてではなく、祭祀など宗教的な特別な用途をもった製品も流通していました。
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