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平塚の考古資料50選
37. 鍍金か鍍銀の銅製品(錠前牡金具)
遺跡名 神明久保遺跡(平塚市中原下宿字神明久保)
大きさ 全長4.94 ㎝、重さ7 g
年 代 平安時代
神明久保遺跡第3 地点から銅製の錠前牡金具が発見されました。錠前は本体の牡金具・牝金具・鍵と錠前を取り付ける壺金具の4
点の部品から構成され、その機能は建物や調度品に取り付け、「モノ」を保管するための道具として使われます。
神明久保遺跡の大きな特徴は、鉄製品・銅製品・鉄滓・銅滓・鉄滓付着容器・羽口が豊富に出土し、その量が約40
㎏に達していることです。このことから、官衙鍛冶工房としての性格がうかがわれます。錠前牡金具は顕微鏡検査で、鍍金か鍍銀(鍍銀ならば日本初出土)したものとわかり、廃品・修理のために回収された可能性が指摘されています。
また、この牡金具は、全国でも屈指の精巧なものと評価されています。それは、昆虫(蝉)の意匠が、中国(唐)の長安の興化坊や長岡京・北野廃寺・薩摩国府出土のものと類似しているからです。本資料はまさに国府を解明する鍵の一つになると考えます。
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