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平成14年7月

平塚の考古資料50選

35. 珍しい形の土器(灰釉陶器輪花段皿

遺跡名 六ノ域遺跡(平塚市真土字六ノ域)
大きさ 口径13.2 ㎝、高さ3.3 ㎝
年 代 平安時代(9 世紀後半)

六ノ域遺跡第9 地点の3 号土坑から灰釉陶器輪花段皿(托)が発見されました。お茶碗を置く茶托と同じで、碗とセットをなすものです。そのために、底が一段低くなります。口の周りを5 か所小さく折り曲げ、その間に細い紐を貼り付けて花弁を表現しています。
灰釉陶器は素焼きのものに、植物の灰を釉薬として用いた焼き物です。この焼き物も緑釉陶器と同じように、生産地が限定され、愛知県の猿投窯・篠岡窯、岐阜県の美濃須恵窯、静岡県の清ヶ谷窯・旗指窯が有名です。この製品は当時の生産・流通を考える上で重要です。
本資料は愛知県の猿投窯黒笹90 号窯式の装飾性に富んだ優れた製品で、県下で初めての出土例となります。灰釉陶器も緑釉陶器と同じように、平塚での出土量は県下で一番多いという特徴があり、国府の市場を介在して地方に流通したものと考えます。


灰釉陶器輪花段皿

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