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平塚の考古資料50選
18. ベンガラを塗った土器(片口付鉢)
遺跡名 大久保遺跡(平塚市北金目字大久保)
大きさ 口径(長径)21 ㎝、高さ5.2 ㎝
年 代 弥生時代後期(2 世紀後半)
舟形の体部の一方の端に片口の付いた、大変珍しい形の鉢です。底部は平底で、内外面ともに丁寧に磨かれ、酸化鉄を主成分とするベンガラによって赤彩が施されています。弥生時代後期の竪穴住居跡から、多数の壺とともに一括廃棄されたかのような状態で出土しています。
関東では同様の形のものは現在見つかっていませんが、静岡県静岡市の登呂遺跡や小黒遺跡、韮山町山木遺跡等で出土した木製の片口付鉢に、大きさ・形ともに非常に似ています。
また舟形の木製片口付鉢は静岡県でも東側の地域に多く見られ、本資料もその木製品を真似て、敢えて土で作ったものと考えられます。おそらく酒器用、調理用として使用された可能性が考えられます。土製と木製と、素材は違いますが、静岡県東部地域との関連を考える上でも貴重な資料と言えます。
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